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夕飯前の黄昏ドラマ劇場

こんにちわ 白田 熊子(26歳:武器はしゃもじ)です。

今日はある女性の日常をドラマ風に描いてみました。

内容は長いので、時間のある時にでもゆっくり読んでください。
夕飯前の黄昏ドラマ劇場
「愛の缶コーヒー ~死闘編~」

私は専業主婦。

今日も帰りが遅くなるかもしれない夫の為におかずを買いに行く。

食べてもらえないかもしれないのに・・・

それでも主婦を演じるために、私は商店街に向かう・・・

今日は、お刺身・・・・いや、サバの煮付け・・・・・・

毎日献立を考えるのも大変。

必要な食材を買い、エコバッグに詰め、私は次の店に向かう。

そこで私を襲った悲劇。

喉の枯渇。

うるおいが必要・・・・肌と一緒ね・・・・

私は周囲を見渡し、小さな電気屋の前にある自販機に目をやった。

そして、財布を取り出し小銭入れを見る。

120円がちょうどあるので、おもむろに自販機の硬貨投入口にその3枚をいれてみた。

その3枚とは100円玉1枚、10円玉2枚。

100円玉は平成3年製造。10円玉は昭和52年と昭和57年でした。

昭和57年といえば私と同じ生まれ・・・

私はこの10円と生まれたところは違えど、

学び、耐え、出会い、そして新たな命をも生み出してきたのですね。

そんな気持ちも込め、私はその10円を最後に投入口に入れた・・・

いつかまた会えると信じて・・・

最後の10円を入れた瞬間、

なんと、自販機が輝き始めたのです。

そう

買える飲み物のボタンが光っているのです。

なんと言う奇跡。

人々が汗水たらして働いたお金を入れることにより、

それを待ち望んだかのように、自販機は「私を買って!」といわんばかりに輝く。

これを奇跡と言わずして何と言おうか。

しかし、光り輝くボタンの中でひとつだけ輝きを失ったものがいた・・・

売り切れ

私は、自然と涙があふれた。

この飲み物だけはもう買えないという悲しみと苦痛が私を強く締め付ける。

でも、ここでくじけてはいけない・・・

私は、この世界で生を受けたときから、この売り切れに何度も対面した。

もう、泣かない。

私は自分の心にそう言い聞かせ、涙を拭い他の飲み物に目をやった。

まだ、選べる。

しかし、選ぶのはそう生やさしいものではなかった・・・

ジュース、スポーツ飲料、炭酸飲料、お茶、コーヒー。

これは神の試練か・・・

はたまた、悪魔のいたずらか・・・

手が震える・・・足もすでに棒になっている。

呆然と立ち尽くす私に、電気屋の中から人が出てきた。

年の頃70歳ぐらいのおじいさんであった。

そのおじいさんは、私を見て眉間にしわを寄せこう言った。

「迷うな・・・迷ったときこそ隙が生じる。己を信じろ。命を懸けて戦場に踏み込め」

言い切ったおじいさんは振り返り商店街の脇道へ消えていった。

気が付くと私の震えは止まっていた。

いける。今の私なら押せる。

私は向き直り、仁王立ちする自販機をにらみつけた。

そして右手を振りかざし叫んだ。

「缶コーヒー!!!!!BOSS!!!!」

その瞬間、あたりが静まり返り、道行く人たちも足を止めた。

そして瞬きをする間もなく私の右手の人差し指はBOSSのボタンに向かって風を切っていた。

そのわずかな間に聞こえた子供の声援。中年主婦の期待の眼差し。

もう迷わない、私は・・・・・・

私は戦士だ!

そして右手の人差し指がボタンを押した瞬間、あたりに電子音が鳴り響く。

「ピッ」

・・・・・・勝った。

そして、あたりに大歓声がわく。

見ず知らずの人たちが私の為に応援をしてくれたのだ。

こんなうれしい日はない・・・

この喜びを誰に伝えよう・・・どうやって子供たちに遺そう・・・

そんな思いにふける私。

しかし、その大歓声も束の間。

辺りはどよめきの声を上げる。

私は不思議に思い、自販機を見上げた。

まさか・・・・

ルーレット!?

私はひざを付いた。

まさかこの自販機に当たるともう一本もらえるルーレットが付いていたとは・・・・

待ち行く人たちも溜息をつき「ここまでか・・・」とつぶやくおじさんまでいた。

もう・・・だめだ・・・・

短い人生だった・・・・

今までの思い出が走馬灯のように甦る。

崩れ落ちる私。

しかし、その崩れ落ちる手をしっかり掴んだ手の感触があった。

私は顔を上げる。

するとそこには、10年前に亡くなった祖母の姿があった。

「負けたって、次勝てばいいじゃない・・・生きてさえいればなんだってできるんだから・・・」

小さい頃聞かされた言葉が私の脳を伝う。

自然と体が動く。

私は朦朧とする意識の中、最後の力を振り絞って自販機に立ち向かう。

来い!!



気が付くと私は病院のベッドの上にいた・・・・

結局当たらなかったのだろう・・・・

私は動くことも出来ずに病室の天井を見つめていた。

病室のドアが開く。

担当の看護師さんのようだ。

「あ、お気づきになられましたか?」

私は静かにうなづいた。

「体はどうですか? 3日も眠ってたんですよ」

あの後、商店街の人たちが私をここまで運んできてくれたらしい。

・・・・・そういえば、微かな意識の中で・・・何か大きな暖かいものに運ばれたような覚えがある・・・・

そう、まるでパンダのような大きな体で・・・

「え? そんな人はいなかったと思いますけど・・・・」

気のせいだったのか・・・・でも確かに感じた暖かさ・・・

ふと窓に振り向いた私。

すると窓の前に置いてあった缶コーヒーを見つけた。

・・・・・そう・・そうだったのね。

「どうしたんですか?」

いいえ・・・・私はもう負けません。ありがとう。

「?」

BOSSありがとう。

缶コーヒーBIGBOSS

                               ~Fin~
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コメント
うまいっ!!すごいっ!!
思わず読み入ってしまったっす…。
遅刻しちゃうぢゃないっすかっ!!
外出ぅ~サッ!!
2008/12/04(木) 12:51 | URL | コナー #LkZag.iM[ 編集]
ぼすぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅううううう(⊃д⊂)
2008/12/08(月) 00:27 | URL | 翠 #sNmeE86I[ 編集]
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プロフィール

Big Boss

Author:Big Boss
園長「Big Boss」(50歳:既婚)

好きなもの こんがり肉全般、こんがり魚全般

嫌いなモンスター ベリオロス、アグナコトル、ドボルベルク、そして韋小宝

よく使う武器、ガンランス、ライトボウガン、ヘビィボウガン、

現住所 ユクモ村

獲得した賞 ポッケ村村民栄誉賞、世界PANDA OF THE YEAR特別賞、モスに殺されたで賞

必殺技  パンダ咆哮、パンダ竜撃砲、落ち込む

現在、MHP3rdまだまだプレイ!

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